2014年3月24日月曜日

My Chess Problems No.2

Mizuki Tokikaze(Japan)
Original
White to mate in 3 (5+6)


[FEN: 8/8/2ppNp2/1N1k1n2/5pP1/3K1P2/8/8 w - - 0 1]

 「White to mate in 3」は白先3手詰め。初手から白黒白黒白でメイトです。このブログでは、ナイトを「Springer」の頭文字の「S」と表記しています。

 作るのに時間がかかった割には素直な手順だと思います。


solution(解答)
1.Sc7+ Ke5
2.Sd8
2...Sh6 3.Sxc6#
2...any 3.Sf7#

2014年3月22日土曜日

自作フェアリールール「肩車」

※2014/2/20に発行された「Web Fairy Paradise」第68号に掲載していただいた、自筆の記事を掲載します。

1.序文
 本記事の主旨は自作フェアリールール「肩車」の説明です。肩車の内容を一言で説明すると「味方の駒の上に移動できる」となります。この一文が肩車の骨子であり、他の細則はこの一文を成立させるための補助的なものです。生まれて間もないルールであり、定義が曖昧な部分があるかもしれませんが、できるだけ分り易く書きますので、ご一読くだされば幸いです。

※以下、任意の地点に攻め方、玉方問わず二枚以上の駒が重なり合っている状態のことを「状態x」と表記します。
※本記事の本文中や棋譜上では、説明を明快にするために状態xを「()」で表記します。状態xの一番上の駒と下に重なっている駒の持ち主が同じ場合は特別な記号は付けず、例②の△とのように、状態xの一番上の駒と下に重なっている駒の持ち主が違う場合だけ「▲:先手」や「△:後手」で駒の持ち主を表記します。
例①、23の地点に上から順に、攻め方角、攻め方金の2枚の駒が存在する場合。
23角(金)
例②、11の地点に上から順に、攻め方飛、玉方と、攻め方銀の3枚の駒が存在する場合。
11飛(△と,銀)
※特に断りが無い場合、初形に状態xは存在しません。
※初形に状態xが存在する場合は、棋譜表記で注釈を付けます。

2.ルール説明
「肩車」
・味方の駒の上に移動できる。
・同一地点へ駒を重ねる枚数の上限は無し。
・上に駒が乗ると、下の駒の利きは無くなり動けなくなる。
・王や玉の上に味方の駒が乗る手は非合法。
・状態xの敵駒を取った場合、取れる駒は一番上に乗っている駒のみ。よって、結果的に敵味方の駒が入り乱れて重なり合う場合もある。
・味方の駒の上への駒打ちは合法だが、敵駒の上への駒打ちは非合法。
・状態xの一番上に乗っている駒が動く時、動けるのは一番上に乗っている駒のみで、残りの駒は状態xが元々存在していた地点に取り残される。一番上に乗っている駒の移動後、新に状態xの一番上になった駒は利きが復活する。
・飛角香が味方の駒を間に挟んでその先へ移動する手は非合法。
・状態xに味方の歩が一枚でも含まれている場合、その状態xと同じ筋に歩を打つ手は二歩禁にあたりますので、非合法です。

3.例題
1番 肩車協力詰3手



2番 肩車協力詰3手
※14香(馬)
3番 肩車協力詰3手

4.解答と解説

1番
34金 13玉(金) 24金まで3手
24歩 13玉(金) 23金は14玉(歩)で逃れ。
24歩 13玉(金) 24金(歩)は同玉(▲歩)で逃れ。
 初手は限定打です。また、12地点には先手王が利いているため後手玉は移動不可能。13金の上に玉が移動し金の利きを無くす、肩車特有の手筋です。初手34金に対し△23金(玉)と玉を守る手は非合法です。

2番
14歩(△馬) 12玉 13香まで3手
 初手14歩で取れる駒は香のみで、馬は14の地点に残るが、馬の上に先手の歩が乗っているので、馬の利きは無効化され逆王手も掛かりません。よって、13香が可能になります。ルール上は味方の駒の上に駒を打つ手も合法ですが、3手目14香(歩、△馬)と打つと13地点に合駒が可能になるため、本問では13香が限定になります。また、15香以遠では、間に味方の歩を挟んでいるので王手になりません。

3番
23金(角) 31玉(金) 32金まで3手
 初手は角が動くと詰まないので、金で王手をしたい所ですが、23以外から金を打つと3手目に困ります。よって、角の上に23金(角)と重ねて打つのが好手。31玉(金)を実現できます。最終手は32金の頭金までですが、32金とした時に攻め方23角の利きが復活し詰め上がるという仕掛けです。3手目32金で、23の地点にいる角は金と一緒に動くということは無く、23の地点に留まります。

5.おわりに
 駄文ではありますが、最後まで本記事を読んでくださった方へ、感謝申し上げます。
 余談ですが、将棋の駒というものは完全な平面ではなく少しだけ傾斜がついています。肩車作品を実際に盤の上に並べてみると、駒が重なっていくに連れ傾斜も急になり、一定の枚数以上重なると駒が崩れてしまいます。これには困りました。

筆者:時風瑞季
出典:Web Fairy Paradise 第68号

2014年3月18日火曜日

My Chess Problems No.1

Mizuki Tokikaze(Japan)
Original
White to mate in 2 (7+5)


[FEN: 5n2/1KR5/1B6/1k1N1B1Q/1pr5/5q2/1N6/8 w - - 0 1]

「White to mate in 2」は白先2手詰め(詰将棋的に言えば3手詰め)。初手から白黒白でメイトです。

 My name is Mizuki Tokikaze.My hobby is chess problem and japanese chess problem.This is a chess problem which i first composed in my life.I want to solve this problem many people.

 「時風と申します。趣味はプロブレムと詰将棋です。人生で初めて作ったプロブレムだが、多くの人に解いて欲しい」という意味の文章を書こうとしたのですが英語として間違っている可能性が高いです。
 ところで、プロブレミストの方々はどのようなソフトで作品の検討および図面作成を行っているのでしょうか。非常に気になるところです。

solution(解答)
1.Bd3
1...Qxd5+ 2.Qxd5#
1...Qxd3  2.Sc3#
1...Qe4!  2.Rc5#
1...Sd7    2.Bxc4#

 当初は初手でピンする駒をQにする予定だったのですが、結局はRになってしまいました。

2014年3月16日日曜日

詰将棋における透明駒の説明

※2014/3/19、読者の方のご指摘により例題1を修正しました。修正前の図面は、「攻め方:なし。受方:12歩、31歩。持駒:金桂。(協力詰3手、0+1)」
 作意は「32金 -X 23桂まで3手」のところ「14桂 21玉 22金まで3手」で余詰。
※2014/3/21、読者の方のご指摘により例題3を修正しました。変更点は受方21角→21馬です。 同年3/23、例題3を修正前の図面へ戻しました。 同年3/29、解説を加筆しました。

1.序文
 透明駒とは若島正氏が考案された、特殊な駒のことです。その名の通り透明な駒なので、盤上のどこに存在するのか、それとも持駒として存在しているのかも分かりません。また、この駒は見ることができないので、駒を動かしたとしても盤上には全く変化が無い場合もあります。以下に、詰将棋における透明駒のルールを記します。

2.ルール説明
「透明駒」
①その名の通り透明であり、位置および種類(またはそのいずれか)が判明していない駒です。
②透明駒は、通常使用される40枚の将棋の駒の内のいずれかである。
③透明駒が動いた時や透明駒を打った時は、どの透明駒がどこに動いたのか、または打たれたのかは分かりません。記譜上では「-X」と表記します。つまり、単に一手指されたということだけしか主張できません。
④透明駒が駒取りを行った時は、取られた駒が消失するため、透明駒が移動した場所は判明します。記譜上では「+13」「+35」のように表記します。前者は13の地点の通常駒を透明駒で取った、後者は35の地点の通常駒を透明駒で取ったという意味です。この場合は位置は判明しますが、種類が完全に判明しなければ、駒の透明状態は保たれます。
⑤透明駒を取る時は、それが「取り」であることが証明できる場合に限ります。「取り」ではない可能性が存在する場合は「取り」を主張することはできません。
⑥-A 透明駒を使用した詰将棋における「王手」とは、それが通常の王手であることが証明できる場合に限ります。
⑥-B 透明駒を使用した詰将棋における「詰み」とは、それが通常の詰みであることが証明できる場合に限ります。また、詰め上がり図に透明駒が存在する場合の「詰み」とは、その局面における透明駒の全ての可能性が「詰み」であると証明できる場合に限ります。
⑦初形配置および手順は全て合法的であり、「先手の着手は王手である可能性がある限り全て王手!」であるとします。
⑧透明駒は、その位置と種類が確定した後は、通常の駒として扱います。
⑨攻め方および受方の透明駒の所有枚数は次のように表記します。「0+1」「3+2」。前者は攻め方0枚受方1枚、後者は攻め方3枚受方2枚の透明駒が使用されている事を表しています。
⑩攻め方および受方のどちらかが2枚以上の透明駒を所持していて、透明駒を「移動させるor打つ」などの着手を行った場合、着手する透明駒を自由に指定することはできません。
⑪透明駒は「成、不成」を主張することはできず、棋譜上でも「成、不成」は表記しません。
⑫可能性の限定された透明駒を取る場合、取った後もその可能性の限定は継承されます。つまり、相手の透明駒を取った時、その透明駒の種類が「金or銀」のいずれかであると確定している場合は、取られた後も、「金or銀」のままであり、その他の駒へ勝手に変換することはできないということです。また、「飛or龍」のように「成、不成」が判明していない透明駒を取った場合は、通常の駒(この場合は飛)として扱います。

 フェアリー詰将棋における新ルールや、未知のフェアリー駒を扱う場合は、その説明を文章だけで理解しようとすると難易度が高くなるが、実際に盤と駒を使って説明されるとすんなり理解できるということが往々にしてあります。ここまで読んでくださった方は、ルールだけでなく、ぜひ例題も問いてみてください。

3.例題
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例題1
協力詰3手、0+1

 攻め方0枚、受方1枚の透明駒が使用されています。受方には必ず1枚は玉が存在しなければならないので、後手の透明駒の種類は「玉」に確定します。

作意 14桂 21玉 22銀まで3手
 
 初手に14桂と着手することで、ルール⑦より透明駒(玉)の位置が22の地点に確定します。ルール⑧より、透明駒の位置と種類が確定したので、2手目以降は透明駒(玉)を通常の駒として扱う事ができるようになるので、以下は一般的な協力詰と同様の手順で詰みになります。 
 初手から「34桂 -X 22銀まで3手」のような手順は、3手目を指し終えた段階で、透明駒(玉)が「21、31、13、33」のどの地点に存在しているのか定まっていないため逃れとなります。
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例題2
協力詰3手、0+1


 受方1枚の透明駒が使用されていますが、前問の「透明駒=玉」とは違って「角、金、銀、桂、香、歩(およびこれらの成駒)」のいずれかです。飛は盤上に2枚存在しているため、透明駒にはなり得ません。
 初手53桂不成や42角成とすれば詰んでいるように見えますが、2手目に「+53」「+42」と駒を取られてしまい3手では詰みません。また、53桂不成の時に「51玉」「52玉」のような受けも考えられます。前者は33or42、後者は22or32or42のいずれかの地点に透明駒が存在していると主張する訳です。
 
作意 51角成 +51 53桂不成まで3手

 作意手順では、初手から51角成、「+51」と角を捨てて、ルール④より透明駒を51の地点に固定します。このとき、51地点に存在する透明駒が「飛or龍or香or桂」である可能性は失われます(成香or成桂である可能性はあります)。51地点の駒を受方の香or桂で取ることはできませんし、飛は盤上に二枚存在しています。51地点に存在する透明駒が飛or龍or香ではないと判明した時点で、受方の駒が53地点へ利いていないということが証明されますので、3手目53桂不成で詰みになります。
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例題3
協力詰3手、1+1

 今回の例題は、攻め方1枚、受方1枚の透明駒が使用されています。まずは作意手順を見てみましょう。

作意 33馬 -X -Xまで3手

 初手33馬は通常の王手ですが、この着手が王手になるということは、逆説的に22地点に透明駒が存在しないということが言えます。そして、2手目「-X」は、受方が透明駒を「動かしたor打った」のですが、これは馬での王手を遮るために22地点へ着手をしたということです。3手目「-X」は、今度は攻め方の透明駒の着手ですが、ルール⑦よりこの着手は王手にならなければなりません。玉は周囲3マスを透明駒1枚を含む自分の駒で囲まれていますので、3手目は23地点への桂の着手だと確定して詰みとなります。
[2014/3/29追記:3手目は23地点への桂の着手に確定するというようなことはなく、正しくは「23地点への桂の着手、または22地点の受方の透明駒を取る着手のいずれか」です。透明駒を透明駒で取ったとしても、盤上に全く変化はありませんので、攻め方の着手がどちらの着手であっても詰みになります。棋譜表記は「33馬 -X -X」で正しいです。]

 2手目、22合駒(透明駒以外の駒)とした場合は、「初手から33馬 22合駒 -X(桂) +23」と進んで、3手目に着手した桂を受方の透明駒に取られてしまいます。3手目「-X(桂)」で受方の透明駒を取っていたと解釈すれば?という意見があるかもしれません。しかし、3手目までの手順では受方の透明駒を「取った」ことは証明できません(ルール⑤より)ので、この手順は逃れとなります。
 仮に、受方21角→21香と変更した場合は、「初手から-X 22合駒 -Xまで3手で詰み」というような手順が成立してしまいます。この手順からは、攻め方は2度の透明駒の着手をしていて、かつ後手の駒を透明駒で取るような着手が存在していないということが分かります。つまり、初手の着手は「角or馬」で33以遠から王手をした。3手目の着手は、後手の透明駒1枚を初手で取っていて、その透明駒を23地点へ打ったと分かります。ルール⑦より3手目の駒の種類は桂であるという事が判明し詰みとなります。

 例題2や例題3のように、透明駒の位置や種類が部分的にしか判明しなかったり、ある透明駒についての情報が一切判明せずに「詰み」となる作品もありますが、これも透明駒の特徴の一つです。

 今までは、例題とその説明だけでしたが、透明駒に関する個人的な感想を最後に記します。まず、受方の透明駒というのは非常に「強い駒」という印象です。合法的な範囲ならば、あらゆる駒になりうる可能性があり、盤上のどの地点にも存在する可能性があるからです。攻め方は、受方に透明駒が存在する場合、なんとかして透明駒の正体を部分的にまたは完全に突き止めるか、何らかの方法で透明駒の影響力の及ばないような局面を作るなどの方法をとって、ある程度まで透明駒の守備を弱めなければ後手玉を詰ますことは難しいという感じがします。
 一方で、攻め方の透明駒については、非常に「扱い難い駒」という印象です。駒取りを行わない場合は、攻め方が着手をしたいという地点を自由に指定する事もできませんし、「この透明駒が通常駒なら簡単に詰むのに、透明駒の性質のために逃れ順が出現してしまい詰まし難くなってしまう」という事も起こり得るからです。
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4.おわりに

 この記事は、私の理解している範囲で、出来る限り透明駒の魅力を伝えたいという意図で執筆にあたりましたが、勉強不足な点も多々あるかと思いますので、その点はコメント欄にてご指摘して下さい。また、掲載されている例題については、あくまで自作のものですが、「Problem Paradise」で取り上げられていた例題をそのまま詰将棋に移植しただけの例題も含まれますので、その点はご了承下さい。
 ルール②にあたる部分を、「透明駒は通常の駒40枚のいずれでもなく、それに新に加わった駒である(TypeB)」とするルール設定もあるようですが本記事では扱っていません。
 最後に、この記事を書くにあたって引用および参照したサイトを明記します。これらのサイトの執筆者様、そして何よりこの記事を読んでくださった読者の方へ、最大限の感謝と敬意を表明します。

引用および参照したサイト様(敬称略)

Problem Paradise(The 9th Japanese Sake Tourney)
Togetter(透明駒)
Web Fairy Paradise(第68号)

2014年3月14日金曜日

自作詰将棋1番

13手詰です。解答は文末に。



 詰将棋のブログを始めることにしました。最低でも月に1作は自作の詰将棋を掲載する予定です。このブログでは、普通詰将棋だけでなくフェアリー詰将棋やプロブレム関連の話題が出る可能性もあります。
 詰将棋を作るのには慣れていませんので、拙い作品だとは思いますが、解いてくださった方はコメントを下さい

解答
kifu形式のファイル

作意
22歩 32玉 42銀成 同玉 53金上 32玉
33歩 31玉 41金 同玉 52金左 31玉
42金寄 まで13手

 テーマは53銀→金の変換です。銀を53に置いたまま33歩を打ってしまうと43玉で手詰まりになります。